アフタヌーンティスタイルLunchの中の1品紹介です。
北海道産の秋刀魚の間にポルチーニ茸を使ったデュクセル(にんにく、エシャロット、白ワインなどを使った粗目のペースト)、白茄子のフォンダン(同様の材料を使った滑らかなペースト)を挟み、真空状態にして45℃まで加熱した後、皮面をバーナーで炙った料理です。ロメスコという、ローストしたナッツ、パプリカ、トマトなどを使ったソースを添えています。
余談ですが、tridorで使う魚の大半は加熱をする料理であっても「生食可」のものを使用します。
これは当店のLunchが「全てをいっぺんにご提供するスタイル」であるため、コース料理と違いお客様の口に入るまでに時間がかかる、という点を考慮した上での選択です。
単純にフライパンやオーブンで焼く調理をした場合、魚種にもよりますが、時間経過とともにどんどんパサパサになっていってしまうため、上記のような調理方法でタンパク質を変性させきらず水分を残し、ご提供から時間が経っても美味しく召し上がって頂けるように調理しています。
そのためには原料が「生食可」のクオリティでなければなりません。
さらに余談ですが、最近よく「何料理ですか?」と聞かれます。
その際は「欧州創作料理です」と答えるようにしています。デュクセルやフォンダンはフランス料理、ロメスコはスペイン料理、ウォーターバスで低温加熱後バーナーで炙る、はもはや何料理の調理法かわかりません。
もともと私の料理は独学なので、1番最初のお店でも「スペイン料理店」を名乗ったことはなく、常に「スペイン『風』料理店です」とお客様にお伝えしていました。
伝統料理は大切です。私もたくさん勉強してきました。と同時に2000年頃より隆盛した分子ガストロノミーや調理器具の高度化によって、単純に言うとオリジナルより「細やかな料理」が作れるようになった、ということも料理人にとって大切なことだと思っています。
それらをどう活かすのか、というのはもはや料理人のセンス次第なので、、、センスの良い料理人でありたいなあ、と思いながら日々色々なレシピを考えています(ディナー用の器も作らねば…)。
久々の投稿で長文になり失礼しました。
※こちらのメニューを常にご用意しているわけではありません。季節や仕入れにより内容が変わることをご了承ください。
※当店は2日前までの完全予約制とさせて頂いております。ご予約はこちらからお願いいたします。